胆石が見つかって、胆のうを摘出するまでの話

かなり前、健康診断で「胆のうに大きな石が複数ある」と言われ、「胆のう結石症」と診断されました。痛みはなかったのですが、将来的なリスクを考え、先日ついに胆のうを摘出する手術を受けました。

初めての入院と手術でかなり緊張しましたが、医師や看護師さんたちの丁寧なサポートのおかげで、無事に退院までたどり着けました。今回は、そんな胆石発見から手術までの流れを簡単にまとめてみます。
同じような状況の方の参考になればうれしいです。

検査の内容や順番は病院によって変化すると思います。また、医学的な内容については素人故正しくないことがあることをご了承ください。

健康診断でまさかの胆石発見

胆石が見つかったのは、かなり昔で節目の年齢に受けた成人病検診でした。その検診に含まれていた腹部の超音波検査で、予想外の展開が…。

検査技師:「おお、大きい石がありますね」
私:「!」
検査技師:「え、知らなかった?」
私:「……」

── このとき、心の中で「あ、終わった」と思いました。

その後、会社の健康管理センターを通じて提携病院の消化器内科を紹介され、通院がスタート。
医師から胆石の説明を受け、しばらくは経過観察という方針。
定期的に超音波検査と血液検査(一般項目+腫瘍マーカー)で様子を見ることになりました。

記憶が少し曖昧な部分もありますが、当時の理解としてはこんな感じ:

  • すぐに死んでしまう病気ではない
  • 胆石の症状は、鳩尾(みぞおち)あたりに突発的な激痛(鈍痛の人もいる)
  • 発作のタイミングは突然で予測不可
  • 放置すると、黄疸・肝機能障害・がん化のリスクあり
  • 治療法は、石を溶かす/砕く/胆のう摘出。一般的には摘出手術が選ばれる

こんな風に、胆石との付き合いが静かに始まりました。


胆のう摘出の決意

幸いなことに、胆石が見つかってからも痛みは一度もありませんでした。
そのため、長い間ずっと「経過観察」という形で通院を続けていました。

ただ、その間にも石は増えたり大きくなったり…。
昨年の超音波検査では、胆のうの壁が分厚く(壁肥厚)なってきており、音波が通らず、胆のうの裏側にある肝臓が見えなくなっている状態でした。
画像をみせてもらうと胆のうが初めて見た時よりだいぶ大きくなっている気がします。

そのとき、主治医からこう言われました。

「体力があるうちに、胆のうを摘出したほうがいいでしょう」

たしかに、すでに超音波検査で内部の状態が見えないので、検査自体があまり意味をなさなくなっていました。いつ激痛が起きてもおかしくない状況。しかも私は痛みからとことん逃げたい。

ちょうど仕事もひと段落していたタイミングだったので、思い切って胆のう摘出手術を受ける決断をしました。

正直、胆石が見つかったときから「いつかは取るんだろうな」とは薄々思っていたので、そのときが来たなという感じです。

こうして私は、主治医に「手術を受けたい」と伝えることにしました。


手術前に受けた検査とその理由

「手術を受けたいです」と主治医に伝えた私は、すぐに胆のうを取ってもらえるのかと思っていました。
ところが実際は、どんな手術にするかを判断するための検査がいくつか必要とのこと。

これらの検査を受けることで、手術中のリスクを減らすことができるそうです。例えば、急な腹痛で救急搬送→即手術となると、事前に胆のうの状態を観察できていないので、胆のうに関係する管や臓器を傷つけるなどのリスクがあるそうです。

私が受けた主な検査は以下の3つです:

MRCP検査(MR胆管膵管撮影)

MRI装置を使って、胆管や膵管の状態を画像で確認する検査です。胆のうは、肝内胆管(入口)と総胆管(出口)につながっていますが、その胆管にも結石が詰まっていることがあります。放射線や造影剤を使わずに撮影できるので、身体への負担も少ないとのこと。

この検査では、肝内胆管に軽度の拡張あり、総胆管はよくわからずという結果でした。膵臓には特に問題なし。

なお、この検査では画像をブレさせないためにお腹をガッチリ固定され、「吸って~、吐いて~」を繰り返すのが地味にきつかったです。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

カメラ付きの管を口から入れて、食道・胃・十二指腸の状態をチェックする検査です。
これは以前にも受けたことがあったので少し気が楽でした。

結果としては、胃底腺ポリープ(良性)が見つかったものの、治療は不要とのこと。
ちなみに、これがあるとピロリ菌に感染したことがない可能性が高いそうです。ちょっと嬉しい発見。

超音波内視鏡検査(EUS)

これも口から管を入れる検査ですが、先端に超音波探査器がついている少し太めのタイプ。
が、麻酔で眠っている間に検査してもらえるので、管の太さにビビる必要はありません。
この検査では、胆のう壁の厚い部分にがん化の兆候がないかを詳しくチェック。

結果は「腺筋腫症の疑いありだが、悪性所見はなし」。また、総胆管や膵臓にも問題なしとのことでした。

検査後は麻酔が切れるまで横になって休み、無事に帰宅。


ここまでの検査は消化器内科主導で行われました。それらの結果を元に胆のう摘出の手術ができそうと判断され、消化器外科に引き継がれました。


消化器外科での説明と、手術の方針決定

消化器内科からの紹介で、いよいよ消化器外科へ。
ここでも改めて「胆のう結石症」の病状や、放置した場合にどうなるかについて詳しい説明がありました。

治療法としては以下の選択肢があります:

  • 薬で石を溶かす
  • 衝撃波で砕く
  • 胆のうを摘出する

薬や衝撃波では再発の可能性が高いとのこと。
そのため、根本的な治療としては摘出手術が最も確実と説明を受けました。
胆のう摘出後の影響についても丁寧に案内していただきました。

ここで私は、あらためて「胆のう摘出でお願いします。できれば手術に対するモチベーションが高いうちに。」と意思を伝えました。


腹腔鏡手術についての説明

手術は腹腔鏡手術で行う予定。
お腹に3~4か所の小さな切開を入れ、そのうちのひとつはカメラ(モニター)用です。

手術中は、胆のう動脈と総胆管をクリップで止め、胆のうを切除して取り出すそうです。

ただし、以下のようなケースでは腹腔鏡では対応できず開腹手術に切り替わる可能性もあるとのこと:

  • 胆のうが他の臓器に癒着している
  • 強い炎症がある
  • がんの疑いが強い など

実際にお腹を開けてみないと最終判断はできないそうです。
(「まあ、そりゃそうだよね」と内心思いました)

でも、事前検査の結果を見る限り、開腹に移行する可能性は低いとのことでした。


入院と手術のスケジュール

最後に、入院と手術のスケジュールについても説明がありました。

  • 1日目:入院(手術前日)
  • 2日目:手術
  • 3〜4日目:術後経過観察
  • 5日目:退院(目安)

回復が早ければ4日目での退院も可能だそうです。

こうして、無事に手術日と入院日程が決まり、いよいよ本番です。

入院と手術~そして退院まで

事前の血液検査、X線検査で問題がなかったため、予定どおり入院することになりました。

手術前日(入院1日目)

午後、予定どおり病院に到着。
事務手続きや病室への案内を済ませ、夕方には麻酔医からのヒアリング(アレルギーや家族の病歴など)、手術を担当される医師の方々との顔合わせがありました。

そのあとは病院内を軽く探検して、夕飯を食べて、21:00就寝。

手術当日(2日目)

手術は午後。朝から絶食、点滴開始で、ひたすら安静。

夕方の手術の開始時間になり看護師さんと一緒に歩いて手術室へ。
手術台に乗せられ、全身麻酔。
次に気づいたときには、もう病室のベッドの上でした。

術後2時間ほどで意識がはっきりし、看護師さんと会話ができるように。
自宅にもSMSで手術が終わった旨連絡しました。(この時点でスマホ操作できます。)
その後、医師から手術経過の説明を受け、取り出した胆石も見せていただきました(もらいました!)。

術後は、寝る目覚めるを繰り返していました。
切開箇所の痛みは最初こそ我慢できるレベルでしたが、時間が経つにつれて痛みが強まり、深夜には看護師さんに痛み止めをお願いしました。このときの看護師さんは天使に見えました……
その後はぐっすり眠れました。

術後2日目(3日目)

早朝、採血あり。身体を起こして構わないとのことで、ゆっくり起きてベッドの角度を変えながら体勢を調整。そして、ベッドに座る体勢までもっていき病室の窓から外を眺めて過ごしました。

その後、お小水の管を外し身体を拭いてもらい、手術着からパジャマに着替え。
さらに、自立でき歩けるかどうかの確認 → OKだったので歩行訓練も即終了。

その後、腹部X線で異常がないかのチェック → 問題なし
点滴の針も抜いてもらいました。もう点滴はありません。

昼食は、重湯、牛乳、フルーツジュースの流動食でした。吐き気がして食べれない方が多いようですが完食。

午後からは、このままだと動けなくなりそうなので、1時間ごとに病棟のフロアを周回。他は読書。
夕方に医師により5日目で退院可、急ぎなら明日の4日目でも可とのこと。
腰が少し曲がった状態でしか歩けなかったのと、若干の不安もあり5日目退院としていただきました。

夕食は普通食に戻りこれも完食。前日よく眠れなかったのでぐっすり寝れました。

術後3日目(4日目)

この日も病室のフロアを歩いて歩行訓練と読書してました。
途中で切開箇所のガーゼが外され、傷の確認も問題なし。

食事は完食できていたのですが、実は入院中はまだ便が出ておらず、看護師さんからも気にかけてもらっていました。ガスがでているかお腹から音が聞こえるかなど確認され下剤を提案されましたが、移動中にもよおしても困るので退院後に自宅で下剤を服用する旨相談しました。

あとはそのまま就寝です。さすがにもう21:00に寝るのは難しくしばらくぼーっとしていました。

退院日(5日目)

いよいよ退院です。朝食を済ませ、身支度を整えて、医師による切開箇所の最終確認。
その際、医師より退院後の生活について以下のような説明がありました。

  • 一ヶ月間は激しい運動は禁止
  • 二週間はシャワーのみ
  • 切開箇所に貼ってあるシールは自然に剥がれるまで剥がさない
  • 暴飲、暴食も禁止
  • 二週間後に経過観察のため来院のこと

次に看護師さんから退院時の手続きに関する注意事項、手順を教えていただき、会計を済ませて無事退院!

最寄駅から自宅まで歩ける気がしなかったのでタクシーで帰宅。
病院の出口からタクシー乗り場までの移動がつらかった……

帰宅後は、シャワー・昼食・洗濯・仮眠と、のんびり過ごしました。


退院後

退院した翌日から仕事に復帰です。

長時間座っていると切開箇所が痛くなってくるのでたまに横になって休憩しながら作業。
同僚にもその旨連絡。夕方にはへとへと。
自宅でのフルリモート作業で助かりました。(いまここ)

今後は退院後から経過観察、完治までの様子を加筆していきます。

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